不動産コラム/ COLUUMS
住まいの購入から引渡しまで!何を検討すればいいの? 必要書類は?迷わない基本6ステップ!
公開日: 2025年9月20日 更新日: 2025年9月20日
目次
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住宅の購入は一生のなかで、何度もあるわけではありません。「購入」あるいは「買い替え」が初めての方にとっては、時々で悩むこともあるでしょう。そこで、今回は、住宅購入で知っておきたい一般的な流れと、それぞれの項目での注意点や、実行期限について、押さえたいポイントをご紹介します。
住宅購入の決定時期は早まっている!事前に準備をして手間取らない対応を
写真:metamorworks / PIXTA(ピクスタ)
最近、建設費の高騰などにより、住宅価格の上昇が右肩上がりになっています。このため、購入予定の方の決断も早まっています。これは、よい物件に出会ったら、すぐに決めてしまわないと売れてしまうことが少なくないからです。けれども、ここで、焦って準備不足のまま進めてしまうと、途中で手続きが止まってしまうことも。こうなると、せっかく気に入った住まいに出会っても、購入できなくなってしまうかもしれません。
こうならないために、知っておきたい住宅購入の流れを以下に示しました。順番に見ていきましょう。
<ステップ1>
情報収集から内覧まで – まずは不動産会社に行ってみよう!
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まず、家族でどのような住まいで暮らしたいかをイメージします。それぞれの意見をピックアップし、話し合って条件を絞ります。条件に合致した物件をインターネットで探してみます。
○不動産会社へ行ってみよう
不動産会社を訪れて、どのような物件が売りに出されているかを教えてもらいましょう。住む地域や予算が決まっているなら、地元で長年、営業をしている不動産会社が親身になって相談に乗ってくれるでしょう。
不動産会社では、対面で情報を得られるので、インターネットにはないようなマッチした物件を紹介してもらえます。街の過去や、将来性といったインターネットでは得られない話題も聞けるので、早めに行くことをお薦めします。
○書類は以下を準備しよう
物件探しと同時進行で、この段階から揃えておきたい書類があります。一例として以下に示しました。
●必要書類
・収入がわかる「源泉徴収票」や「確定申告書」(自営業の場合)
・車のローンなど他の借り入れがある場合は、「残高確認書」
残高確認書があれば、住宅購入の予算もスムーズに立てられます。不動産会社に相談すれば、無理のない資金計画をアドバイスしてもらえます。頭金が足りないなどの悩みについても、さまざまな角度からアイデアを提案してくれます。
○融資のことも考えておこう
住まいの購入では、物件にばかり目が行ってしまいますが、考えたいのは融資のこと。たとえば、転職して3年以内の方は、継続して勤続している方と比べるとローンが通りにくいのが一般的です。
「絶対に無理」というわけではありませんが、理想の住まいに出会ったものの、契約直前、あるいは契約後にローンが通らなくて一からやり直し、というのはショックでしょう。
それを避けるためにも資金的な準備はとても大切です。頭金や毎月返済額もざっくりと考えておきましょう。
<ステップ2>
物件のピックアップ!価格交渉のツボは?
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物件の選定ができたら、申し込みをして条件交渉をしましょう。
○価格交渉について
中古の場合は、売主と買主の落としどころがあるので、価格交渉もありでしょう。一般的には、相手の条件を飲むことで、いくらか価格が下がる可能性はあります。また、後述しますが、引き渡し時期に余裕を持つことを提案される場合もあり、これは交渉条件になるでしょう。ただし、お互いの歩み寄りが必要なので、どのような内容であれば受け入れられるのか、あるいは譲れないのかを不動産会社に伝えましょう。
また、中古の場合は、「残置物」といって、売主から、「エアコンや温水洗浄付き便座などの取り外しが面倒なのでそのまま残していきたい」といわれることがあります。
残置物のなかには、引き続き使用できるものもありますが、使用が難しいものもあります。電化製品だけではなく、タンスや鏡台なども含まれることがあり、使わなければ、買主側が処分することになります。その処分費用も見込んでおきたいものです。処分費用を見込んで価格を下げてもらえる可能性があるのです。残置物の提案をされたら、価格交渉の材料にできないかを不動産会社に相談してみましょう。
どれが残置物となるかなどは、実際、細かい話です。そして残置物がちゃんと「その後も使用できるか」も要確認。たとえば、せっかくエアコンを置いていってもらえたのに、すぐに寿命が来た、という話があります。ちゃんと使える設備かを確認するとともに、設備のパンフレットはもちろん、設置時期なども確認して書類に明記してもらいましょう。
価格交渉では、押したり引いたりすることも大切。出会った住まいがとても気に入ったなら、「●万円になれば、買います。ただし、●●と●●については受け入れます」とはっきり指値で提案するのも一法です。この方法は、売主にちょっと強めに出ることになるため、自分の意志が揺らぎないことに加え、不動産会社にも自分の立場を理解してもらえるようにお願いしましょう。
このように価格交渉を検討するなら、物件選定の段階で、不動産会社に「予算は●●円程度ですが、相手の条件も飲むので、価格交渉をお願いできますか」と単刀直入に聞いてみましょう。不動産会社を選ぶ際には、このような点で親身になって対応してくれる会社や担当者を選ぶようにしたいものです。過去の価格交渉の実績を聞くのもよさそうです。
○金融機関をピックアップ
この段階まで、ローン関係にも目を向けておきます。早めに借り入れしたい金融機関をおおまかにピックアップしておきましょう。金利は金融機関によって異なるため、2~3行程度、選定します。金利だけではなく、家から近い、繰り上げ返済の手数料が不要、といった面も検討してみます。また、不動産会社が提携している金融機関は金利を引き下げてくれたり、個人の状況に応じて、融通を図ってくれたりすることもあるので、こちらも早めに尋ねておくのがよさそうです。
<ステップ3>
いよいよローンの仮審査 – 書類準備をぬかりなく
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価格面などで折り合いがついたら、交渉成立です。
○金融機関に仮審査
購入の申し込み後、住宅ローンの仮審査を金融機関に申し込むのが一般的です。仮審査とは、「この人は返済能力があるか」を金融機関が簡易的にチェックするもの。なお、仮審査に通っても、もう一つ「本審査」を通らなければ、借り入れはできません。
仮審査の書類はたとえば、以下のようなものです。
https://www.zentakuloan.co.jp/assets/documents/jizen_mousikomi3.pdf
出典:公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会 賛助会員
仮審査は最短で翌日、長くても1週間程度で結果が出ます。仮審査に落ちたら、別の金融機関を探さなければなりません。資金計画に無理がないか、頭金は増やせないかなどをもう一度、確認しましょう。
不動産会社も、金融機関を探してくれるので、一度、審査に落ちたからといってあきらめず、相談してみましょう。自宅近くの金融機関や地元で長年、営業している信用金庫や信用組合などは、親身になって聞いてくれる可能性があります。勤務先が懇意にしている金融機関も、話を聞いてくれそうです。
<ステップ4>
重要事項説明時の注意点!中古なら瑕疵保険はどうする?
写真:makaron* / PIXTA(ピクスタ)
○重要事項説明はとても大切
買主側と売主側で条件に納得したら、不動産会社の宅地建物取引士が建物について「重要事項説明」を行います。これは、引き渡される住宅について、非常に重要なポイントをまとめた書面を、国家資格者の「宅地建物取引士」という人が読みながら説明をしていくものです。
不動産に関する専門的な言葉が並んでいますが、契約前の非常に「重要」な内容です。このまま契約してしまうと、そこに書かれていることを認めてしまうことなるので、十分、理解して、疑問に思う点は質問しましょう。宅地建物取引士に遠慮せず、知らない言葉や理解しにくいことはどんどん尋ねてみるのが重要です。担当者も、一つの項目ずつ、「ご理解いただけましたか」などと、尋ねてくれるので、難しく考えず、質問してみましょう。
重要事項説明では、敷地や建物の大きさ、住所、境界、過去の土地の状況、建物の現況と歴史(リフォームの状況と、故障・被害時の連絡先)などにはじまる物件のあらゆる現状が説明されます。
売主から「引き渡し特約」といって、残代金決済日に引き渡しをせず、1週間から2週間程度の余裕をみることを提案されることがあります。今、賃貸物件に住んでいるなら、家賃や更新料の支払いにも影響を及ぼすので、価格交渉の段階で確認をしておきたいものです。不動産会社も相談に乗ってくれるので、連携を取っておきましょう。
次のような書類も提示されるので、理解しておきましょう(一例)。
・「物件状況等報告書」(重要事項説明書と一体化されている場合あり、物件がどのような状態であるかを明記したもの)
・付帯設備表(残置物を含む)
○既存住宅売買瑕疵保険とは?
中古を購入するのであれば、「既存住宅売買瑕疵保険」を利用する方がいらっしゃるかもしれません。これは、建物の引き渡し後に、一定の瑕疵(欠陥)があれば、保険の範囲内で対応してもらえるもの。売主や買主が個人の場合、建物を検査する検査事業者が責任の履行をバックアップするために保険に加入します。ただし、すべての瑕疵に対応するわけではなく、以下のようなものが対象となることが一般的です。期間も、引渡後3ヶ月程度が多くなっています。
・雨漏り
・建物構造上主要な部位の木部の腐食
・給排水管の故障
・シロアリの害
既存住宅売買瑕疵保険は、個人の売主から購入する場合を例に挙げましたが、不動産会社が売主の場合は、内容が異なってきますので、一度、お問い合わせください。
売主が個人の場合の既存住宅売買瑕疵保険について、以下で説明しています。検討されているなら、目を通しておきましょう。
●国土交通省
既存住宅売買瑕疵保険(個人間売買タイプ、検査事業者保証型)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/jigyousya/about_inspector_guarantee_type.html
○ローン特約も忘れずに
もう一つ。忘れてはならないのが「ローン特約」があるかどうかです。
これは、ローンに通らなかった場合に、契約が無効になるもの。特約があれば重要事項説明で説明されるので、しっかり確認しましょう。
金銭面では、頭金の準備(定期預金の解約など)を始めておきましょう。
<ステップ5>
いよいよ売買契約、ローンの本審査結果まで約10日
出典:years / PIXTA(ピクスタ)
○実印などの準備を
いよいよ売買契約です。重要事項説明でじっくり理解したので、契約はすんなり済むことが少なくありません。実印や認印、身分証明書などが必要となるので、準備をしておきましょう。
契約が終わったら、金融機関に住宅ローンの本審査を申し込み、通ったら金銭消費貸借契約(金消契約)を締結します。
その際に必要となる書類の一例を示しました。
・源泉徴収票(確定申告書)2から3年分
・身分証明書
・実印、認印
・通帳と届出印
・印鑑証明書(3か月以内のもの)
・家族全員の住民票(マイナンバーは非掲載)
・課税証明書か、納税証明書(自営業の場合)
・物件パンフレットなどの物件資料
・公図、間取り図、測量図
・建築確認通知書
・売買契約書、重要事項説明書の写し
以下の「公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会」が運営するサイトでは、必要な書類をわかりやすく提示しています。不動産会社が利用するものですが、購入者にとっても役立つ内容です。チェックシート形式になっているので、自分で確認できます。プリントして確認しておきましょう。
https://www.zentakuloan.co.jp/assets/documents/sinsa211_2.pdf
出典:公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会 賛助会員
住宅ローンの本審査は、書類がすべて揃っていれば、最長で10日ほどで結論が得られます。書類が足りないと再度、時間を要するので、事前に不動産会社に尋ねておきましょう。欲しい住まいが見つかったときにはそろえて置けるような状況であれば、万全の体制です。
金融機関の本審査に時間がかかったり、回答がNGだったりするのは、
・物件
・借り入れする人
のいずれかに問題がある場合がほとんどです。
返済計画に無理がないか、勤続年数は問題がないかを自分自身に問うてみましょう。また、物件に問題はないかを不動産会社に尋ねてみましょう。
<ステップ6>
残代金支払いから引っ越し
写真:おくやまひろし / PIXTA(ピクスタ)
ここで、決済日が来たら、金融機関からの借り入れを残代金として、支払い、固定資産税も日割りにして、登記を変更したら、住まいはあなたのものです。
残代金の決済日は、契約から1カ月~1カ月半程度が一般的でしょう。住宅ローンの実行まで1カ月程度をかかることを見込んだ措置です。先に述べたように、売主や買主の事情で伸びたり短くなったりすることもゼロではありません。
契約後に予定より引き渡しが長くなってしまうなどのトラブルが発生した場合は、契約に基づいて対応します。しかし、契約書に記載されていないことが起きると交渉になります。こういったときには、不動産会社の経験が役立つので、実績のある不動産会社を選ぶことが重要です。
いかがでしたか。
住宅購入にはこのように細かな手順を踏まねばなりません。物件を絞ってから不動産会社に相談される方もいらっしゃいますが、その段階では資金計画や書類などに不備があると、購入に手間取ることがあります。物件選定の段階から、実績のある不動産会社に相談するほうが、自分に合った物件選定やローンの提案をしてもらえます。
ハナイアーバンプランニングは、2002年(平成14年)から埼玉県川口市で営業を続けており、川口市内やさいたま市内の物件や周辺情報に強みがあります。ぜひ一度、お問い合わせください。
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