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川口市の魅力は?住みやすさはどんな点にある?

公開日: 2024年5月31日  更新日: 2024年5月31日

   

JR川口駅に降り立つと印象的な歩道橋が目の前に広がっている(写真:PIXTA)

埼玉県川口市といえば、かつて盛んだった産業である鋳物の街のイメージをもつ方もいらっしゃるでしょう。映画の「キューポラのある街」として著名ですが、現在では再開発が進み、川口駅前を中心に商業施設やタワーマンションが立ち並ぶ街に変化しています。
今回は、川口駅前を基点とした暮らしをイメージしながら、川口が住みやすいといわれる理由や、実際の生活利便性について、用途地域を踏まえながらご紹介していきましょう。

川口は「鋳物の街」?いいえ、今は都心へのアクセスの良さに注目

埼玉県川口市といえば、埼玉県南部の街。荒川を隔てて東京都に接しています。市の西側にJR京浜東北線、東側には埼玉高速鉄道線が通っているうえ、埼玉高速鉄道線の東川口駅では、JR武蔵野線と乗り換えが可能です。都内への通勤・通学はもちろん、東西の利便性も高く、越谷市や千葉県の流山・松戸方面へのアクセスの良さも評価が集まっています。
 
かつて、川口といえば「鋳物の街」として知られていました。「鋳物」とは、加熱して溶かした金属を型に流し込んでつくった製品のことです。川口は、江戸時代から鋳物業が盛んで、市の南部を中心に工場が数多くありました。女優の吉永小百合さんを主役として、川口の鋳物工場をテーマにした映画「キューポラのある街」(1962年製作)が大ヒットしたこともあります。キュ-ポラとは溶解炉のことで、昔は個性的な形をした煙突が街のあちこちで見られていました。

現在では鋳物工場はかなり減少しています。川口鋳物工業協同組合の会員数は1985年には300社程度だったとみられますが、2024年4月時点で104社。産業構造の変化や、人件費が割安な海外との競争に勝てなかったことなどが要因として挙がっています。

かつての鋳物工場跡地では、再開発が進みました。なかでもJR川口駅前は、大型の商業施設やタワーマンションが立ち並び、東京へ通勤する人のための大きなベッドタウンとなっています。

商業施設も充実しており、生活利便性が高いJR川口駅(写真:PIXTA)

JR川口駅に降り立ってみてください。東口には大きな歩道橋がバスターミナルを取り囲んでいるのが圧巻でしょう。ショッピングモールの「川口キュ・ポラ」「かわぐちキャスティ」などがあり、暮らしの便利さを高めます。西口には春の桜が美しい大型公園の「リリアパーク」(川口西公園)がひろがっています。大型遊具や噴水もあり、休日には家族で楽しい時間を過ごせます。

将来的には、上野東京ラインの停車や、新駅舎の建設やホームの拡張なども計画されています。今以上に、便利な街になることでしょう。

駅を降りたら、ゆっくり買い物をして自宅に到着。休日には、近くの公園で緑に親しむ。自然と利便性の2つを享受―そんな暮らしが実現できる街に生まれ変わっています。

川口は「住みやすい街」として選ばれている

街並みの変遷とともに、川口市は、住みやすい街の一つに選ばれるようになりました。

たとえば、住宅ローン会社アルヒが行っている「本当に住みやすい街」調査で、川口は2021年に1位、2022年には2位を獲得しています。

リクルートの2024年の「住みたい沿線ランキング」調査では、JR川口駅のあるJR京浜東北線が2位。また同年の「穴場だと思うランキング(交通や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある)」では、川口が6位に選ばれています。

JR川口駅からJR東京駅まで、京浜東北線を使えば25分。JR池袋駅までならJR赤羽駅で乗り換えて17分、JR渋谷駅まで足を延ばしても30分前後で到着します。

交通利便性が高い割には東京都内と比べて地価や住宅はお手ごろです。子育て世代を中心に関心を寄せられる街になっています。

住まいを探すなら用途地域を知っておこう

川口の街並みの変化をみてきました。これを知って、川口を住まい探しの選択肢に入れようと思う方も少なくないのではないでしょうか。

ここからは、住まいを探す際に必ず、知っておきたいことをお伝えしていきます。

それは、住みたいエリアがどんな「用途地域」なのかということです。「用途地域」とは、市街地を計画的につくるために、どのような建物が建てられるかを定めたものです。

たとえば、閑静な住宅地なのか、近くに大きな商業施設のある賑やかなエリアなのか、小さな店舗や工場が点在するエリアなのか。これらは用途地域により違いがあります。

用途地域は、大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3種類があります。さらにそれぞれが細かく分かれており、以下のように合計13の分類となっています。

・住居系
(1) 第一種低層住居専用地域
(2) 第二種低層住居専用地域
(3) 第一種中高層住居専用地域
(4) 第二種中高層住居専用地域
(5) 第一種住居地域
(6) 第二種住居地域
(7) 準住居地域
(8) 田園住居地域
これらは、いずれも主に住宅建設を目的とした地域です。閑静な住宅地や、マンションが立ち並ぶエリア、農業の利便性を図りながら調和した低層住宅の環境を維持するエリアなど、8つの用途地域の街の雰囲気は異なります。
これらのエリア内で、工業系や商業系の施設は建てられるものもありますが、種類や大きさの制限があります。居住環境の維持を目的としているため、エリアごとに建てられる住宅の大きさなどにも制限があります。

・商業系
(1)近隣商業地域
(2)商業地域
商業の発展を目的としたエリアです。大まかなイメージでは、小さな駅前の商店街が立ち並ぶイメージが近隣商業施設で、駅前の繁華街という印象を受けるのが商業地域です。
住宅も建てられ、タワーマンションなどが目につくでしょう。駅前周辺は、商業施設に指定されることが多いでしょう。川口のように駅前に大型のショッピングセンターがあれば、通勤や通学の際の買い物にとても便利です。

・工業系
(1)準工業地域
(2)工業地域
(3)工業専用地域
工業の発展を目的としたエリアで、上記の3つがあります。工業系の地域ではありますが、準工業地域と工業地域には住宅が建てられます。
用途地域を知ることで、現況だけではなく、街の将来の予測も可能となります。それは、先に述べたように、用途地域によって建てられるものが異なってくるからです。また、目の前の道路を隔てると、用途地域が異なることも少なくありません。周辺の用途地域も知っておきましょう。

将来的に何が建つ?周辺に建つ可能性があるものを知っておこう

どの用途地域かによって、街の雰囲気は大きく変わります。住む場所とその周辺に何が建つ可能性があるかを知っておきましょう。以下に、用途地域別に建てられるものを明記しました。
たとえば、住居系の地域や、「工業地域」「工業専用地域」では延床面積1万m2超の大規模な店舗は建てられません。住居系と「近隣商業地域」、「工業地域」「工業専用地域」では、キャバレーや料理店、個室つき浴場は建てられません(「商業地域」では建てられます)。

出典:https://www.pref.saitama.lg.jp/a1102/tiikitikuyoutotiikitou/youtotiiki.html

川口市内の用途地域はどうなっているの?

駅を降りたらすぐに大型商業施設があるのがうれしい(写真:PIXTA)

用途地域の概略をお伝えしてきました。
では、川口市の用途地域はどうなっているのでしょうか。

住みたい地域の用途地域を細かく知るには、以下のサイトが適しているでしょう。

■かわぐち案内マップ
https://kawaguchi.geocloud.jp/webgis/?z=16&ll=35.807725%2C139.724137&t=dm&mp=17&op=70&vlf=-1

このサイトで住みたいエリアの住所を入力してみましょう。周辺エリアの用途地域も確認してみましょう。

JR川口駅周辺をみてみましょう。画面の上にある検索ボックスに「川口駅前」と入力してみます。拡大できるので、細かく確認してみましょう。薄い文字で町名も記されているので、大まかではありますが、住みたい街の用途地域がわかります。

上記の図をみると、川口駅の周辺は先ほどお伝えしたように「商業地域」と「近隣商業地域」(上図の凡例には赤い色は明記せず)であることがわかります。そして、商業地域や近隣商業地域を取り巻くように「準工業地域」(薄いピンク)がひろがっています。

準工業地域では、住宅系や商業系では建てられない「倉庫や危険性や環境を悪化させるおそれがやや多い工場」「自動車修理工場」といった工場が建てられます。工場関連以外では、3000㎡超の大規模な店舗や事務所、ボウリング場やカラオケボックス、ホテル、学校や幼稚園、病院も建てられます。

これらは、川口駅から徒歩10分ほどのエリアです。ただ、実際に歩いてみるとわかりますが、マンションや戸建て住宅が立ち並び、さらに店舗もあります。工場はあったとしても存在が目立つわけではなく、一見して準工業地域のイメージはありません。

駅の近くに準工業地域が広がっているような街は、川口市内のなかでもやや珍しいといえるかもしれません。

たとえば、同じ川口市内であり、埼玉高速鉄道線「鳩ケ谷駅」の周辺を上記で調べてみましょう。「鳩ケ谷駅西口駅前広場」と入力してみます。

鳩ケ谷駅周辺は、住居系の「第二種住居地域」などが多くなっています。これらは、住居環境の保護が目的でありながら、ある程度、規模の大きな店舗や事務所なども建てられるエリアです。幹線道路沿いは「準住居地域」が多く、これは自動車関連施設などと住居を調和させる地域です。実際の街並みをみても、駅周辺には比較的、大規模な店舗やマンションが立ち並んでいますが、少し離れると戸建て住宅が建っており、用途地域と実際の環境が合致する印象を受けるでしょう。

JR川口駅周辺は、これまで述べてきたように大きな変貌を遂げています。かつて鋳物工場が多くあった跡地に住宅が立ち並ぶようになっています。街を歩くと工場が目につくことはあまりなく、一見、住宅系の用途地域と思ってしまいますが、実際は、準工業地域の指定を受けていることがあります。

用途地域は、あくまでも建てられる建物を示した区分です。そして、川口市の場合、用途地域と現況が合致していないエリアも少なくありません。

ですから、用途地域を確認するのはもちろんですが、自分で足を運んで街と周辺の現状を目で確認してみましょう。注意したいのは、今後、建て替えされる可能性のあるような大型の古い建物や空き地になっている駐車場です。もし、こういったものを見つけたら、将来、何が建つかを弊社にお聞きください。その時点では建つものが決まっていなくても、今後の可能性を含めて、親身になってお伝えいたします。

タワーマンションの夜景が美しい川口の街並み(写真:PIXTA)

用途地域は土地や住宅価格に影響を及ぼす?

一般的に、イメージのよい閑静な住宅地や、駅に近いなど利便性の高い立地の住宅やマンションは土地の価格も高く、住宅価格も高めになっています。では、「住居系の用途地域は価格が高い」といえるのでしょうか。そして、用途地域の違いが住宅価格に影響を及ぼしているのでしょうか。

ここで、JR川口駅を基点とした周辺エリアについて、公示地価を調べてみました。公示地価とは国が公表しているものです。定めた場所について、毎年1月1日を基準日として一般の土地取引の目安となる価格を判定するものです。一般的な土地の売買の際の基準となるものですが、実際の土地取引価格を示したものではないことに注意しておきましょう。

川口駅周辺は先に述べたように、駅の東西に商業地域や近隣商業地域があり、その周辺を準工業地域が取り巻く構図です。JR川口駅から10分も歩けば、住宅が立ち並んでいるものの、用途地域の分類は準工業地域になっていることをすでにお伝えしました。

2024年の川口市内の公示地価を以下でみてみましょう。

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/251633/02_r6kakakuichiran.pdf

一部を用途地域と照らし合わせて確認してみました。
・幸町2-3-10(商業地域、JR川口駅から徒歩8分)
 1㎡あたり 77万円、前年74万円
・飯塚3-9-7(準工業地域、JR川口駅から徒歩12分)
 1㎡あたり 42万8000円 前年40万9000円
・青木2-3-15(準工業地域、JR川口駅から徒歩20分)
 1㎡あたり 38万6000円、前年37万2000円
・仲町11-44(第二種住居地域、JR川口駅から徒歩20分)
 1㎡あたり 33万6000円、前年32万1000円
 
一例を取り上げただけではありますが、川口駅周辺では、準工業地域だからといって、公示地価が低くなるというわけではなさそうです。

JR川口駅周辺では、住居系の用途地域は準工業地域の外側、さらに駅から離れた場所にあるため、公示地価には一概に反映されていないもようです。

特別用途地域を知っておこう!

出典:川口市ホームページhttps://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01130/020/youtotikukeikakunado/4602.html

川口市では、川口の伝統産業を守るための街づくりが行われています。それが、「特別用途地域」というものです。これは、昭和38年(1963年)に鋳物工場の保護育成を目的として定められました。一定の条件があるものの、「特別用途地域」内では新しく鋳物工業を建てられたり、今ある鋳物工場の増改築を行えたりします。

「特別用途地域」は、川口駅周辺の準工業地域と重なる部分が多くなっています。本来、準工業地域では鋳物工場は建てられない(※)のですが、現時点でもこの準工業地域の「特別用途地域」内に鋳物工場があります。それは、用途地域で「準工業地域」と指定される以前から、鋳物工場がすでにそこにあったことに由来しています。
※川口市は炉の大きさなどにもよる

現在では、川口駅周辺の鋳物工場は減少し、マンションや住宅に変わっていることが多くなっており、これから新しく準工業地域内に鋳物工場が完成する可能性は低いと考えられるでしょう。ただ、今ある鋳物工場が増改築されることはあります。広い土地があれば生活に影響を及ぼす、あるいは逆に便利な大型店舗など、他の建物が建つこともありえます。

このエリアの居住を検討している場合は、住みたい場所の周辺の周囲2km程度の街並みを自分の足で歩いて把握しておきましょう。

住む場所を選ぶなら地図を持って歩け歩け

JR川口駅周辺の街並みが、時代とともに変化していることがわかりました。大切なのは、どのエリアに住むにしても、まずは用途地域を確認してみることです。ただし、JR川口駅周辺の例をみても、用途地域に振り回されすぎないことも大事です。実際に地図をもって現地で確認するのが最も大切な行動になるでしょう。

とくに川口市内においては、準工業地域であっても、現在、住宅がメインで、探せば工場がいくつかあるというようなエリアが複数、あります。「街の変化が、その昔に制定された用途地域に合致していない」ということです。

ですから、用途地域は頭に入れつつも、将来的な街の変化を想像しながら、空き地はないか、家の近くに何が建つ可能性があるかを把握しながら、何度も行ってみましょう。

弊社は、埼玉県内南部を地盤として、不動産取引で20年以上の実績があります。弊社に相談していただければ、JR京浜東北線沿線のJR川口駅周辺をはじめ、埼玉高速鉄道線沿線の各駅を中心とした街の過去から今後の街の変化、地域の特性まで細かくご紹介が可能です。

どうぞ一度、ご相談ください。


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