不動産コラム/ COLUUMS
不動産会社が教える「家を早く売る」ための6つの方法
公開日: 2023年5月27日 更新日: 2023年8月21日
はじめに
家は大切な財産。しかし、そんな大切な家をできる限り早く売らなければならない事情が生じた場合どうすればいいでしょうか?
早く換金しなければならなくても、安く買い叩かれたくないはずです。
そこで、この記事では家を現金化するための様々な選択肢をお伝えします。状況に応じた選択肢を知ることで、急いで安く売らないための参考にしてください。
家という財産から現金を得るには
売却するという選択肢が真っ先に思いつくことでしょう。しかし、家を現金化するにはそれだけではありません。また、売却するにしてもやり方はいくつかあります。
状況に応じたやり方を選べば、手にする現金の額を大きく増やしたり、その後の暮らしの質を落とさなくて済んだりします。
では以下に具体的な方法を挙げてみます。
●家を売却して現金化する
・不動産仲介
・不動産買取
・買取保証付き仲介
・リースバック
●自宅を担保に金融機関から現金を借りる
●リバースモーゲージ
家を「売却する」中にも4つの売り方があり、その他「売らない」で現金を得るという方法もあります。
それでは6つの方法について説明します。
家を売却して現金化する方法
1.不動産仲介
これが最も一般的な家を売却する方法です。
不動産会社に売却活動を依頼し購入希望者を探してもらいます。その購入希望者の中で最も高い値段をつけてくれた人に売ります。
売れた後で不動産会社には謝礼として売却金額の3%+6万円+消費税(売却金額が400万円を超える場合)を支払います。
複数の購入希望者の中から最も高い人を選べるため、高額で売却したいなら仲介を選択するべきです。
しかし、この仲介という方法は、買い手が現れるまで待つ必要があるため、期間がかかるのが普通です。
中古マンションでは3ヶ月弱、中古戸建では4ヶ月近くかかっていることが示されています。
この表はレインズという不動産会社間で使用されるシステムに売却したい物件の情報が掲載されてから、成約に至るまでの日数です。
また、「平均日数である」ことに注意すべきです。仲介であれば売却まで10ヶ月程度かかることもざらにあります。
「4ヶ月程度で売れる可能性は高いが、いつ売れるかはわからない」
ということなのです。
駅から近いなどの利便性の高い物件、築年数が新しい物件は目立ちやすいため早く売れる傾向があります。相場よりも多少安くすればすぐ売れる可能性があります。しかし、このような際立った特徴がない物件の場合はなかなか売れないのが普通です。
どれくらいで売れそうか?については不動産会社に相談するとよいでしょう。
早く売れそうという見通しがあり、4~5ヶ月待てるのであれば仲介を選択するのが良い結果になる可能性が高いと考えられます。
仲介を選択したほうが高く売れるので、できる限り仲介を選択したいものです。
また、仲介でも急いで売ろうとすると、高く買ってくれる購入希望者が現れるまで待っていられないこともあります。期間に余裕を持ちたいものです。
2.不動産買取
早く現金が必要なら不動産買取という方法があります。
買取とは不動産会社に直接不動産を買い取ってもらうことです。
下記の図で示すように、仲介より手順が少ないです。
しかも、仲介と異なり購入希望者が現れるのを待つ必要がありませんので、圧倒的に早く現金化できます。だいたい目安としては1ヶ月程度と考えておけばいいでしょう。
早く現金化できるのはメリットなのですが、どうしても安くなる傾向があります。
仲介の場合はいくらで売れたとしても、不動産会社は必ず売却金額の3%+6万円の仲介手数料をもらうことができます。
しかし、買取の場合は不動産会社が買い取ったあとで、売却活動を行います。結果としていくらで売れるかわからないので、安く買わないと損をしてしまうことがありうるわけです。そのため、相場と考える価格よりもかなり安めの金額で買います。
仲介で売る場合に比較して70%程度の金額になってしまうのが普通です。
とはいえ、買取の場合でも不動産会社から提示される金額は異なるのが普通です。
どうしても早く売らなければならないため、買取を選択する場合は複数社に査定を依頼して、できる限り高く買ってくれる会社を選びましょう。
また、金額は交渉の余地があります。言い値で売るのではなく交渉してみましょう。数十万円ぐらい高くなるかもしれません。
3.買取保証付き仲介
仲介として売却活動を不動産会社に依頼し、決められた期間内に買い手が見つからなかった場合は不動産会社が買い取ってくれるという契約形態です。
最初は仲介で買い手を探すため、買取よりも高額での売却が期待できる可能性が高いのがメリットです。仲介と買取のいいとこ取りのいい方法と思えるかもしれません。
しかし、デメリットもあります。
●買取ほど早くは現金化できない
●買取保証付き仲介を扱っていない不動産会社が多い
●不動産会社が期間内に真剣に売ろうとしない可能性もある
特に最後の「不動産会社が期間内に真剣に売ろうとしない」危険について注意しておくべきです。
3,000万円で売れる家を例に挙げて説明しましょう。
仲介で売った場合不動産会社の利益は3,000万円×3%+6万円となり、96万円が利益となります。
仲介で売れなかった場合の家の買取価格が2,100万円だったとすると、この家を最終的に不動産会社が売却した場合の利益は900万円となります。
こんな目算が不動産会社にあったら、仲介の期間中に真面目に売却活動を行わない可能性があるのです。買い取って売ったほうが圧倒的に儲かりますから。
また、仲介の期間中に買い手が現れても、「この家は他の方に売却が決まってます」などと言って勝手に不動産会社が断ってしまうかもしれません。
こんなことになるぐらいなら、最初から買取してもらったほうが、早く現金化できます。
もし、買取保証付き仲介を依頼するなら、不動産会社を厳しい目で見て選ぶべきです。誰もが知っている大手だからといって安心とも限らないので注意です。
4.リースバック
リースバックは「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれることもあります。
自分が所有する家を売却して、買った人に家賃を払って住む方法です。言い換えると自分の家を大家に売って、大家に家賃を払って住み続ける、持ち家から借家になるということですね。
この方法には様々なメリットがあります。
買取と同じく短期間で現金を受け取ることができます。また、住み慣れた家に住み続けられるので安心ですし、近所の人などに借金をしたことを知られることもありません。
また、引っ越しをしないでよいので、新居の礼金・敷金や引っ越し費用も節約できます。
このリースバックも選択肢ではありますが、欠点もあります。
リースバックで家を買い取る不動産会社には下記のいずれかの目的があります。
●将来的に物件を売却して売却益を得る
●家賃収入を得る
このいずれかです。
それぞれにおいて違うデメリットがありますので説明します。
将来的に物件を売却して売却益を得る目的の場合
前者の「売却益を得る」目的であれば、借りる期限が決まっていて住み続けることができない欠点があります。
通常の「普通賃貸借契約」であれば、借家人が住み続けることを希望すれば、大家から契約を終了させることができません。言い換えればよほどのことがない限り、大家は借家人を追い出すことができないということです。
しかし、このリースバックによる「定期賃貸借契約」は期限が来て大家が退去を希望したら絶対に退去しないとならないのです。期限はだいたい2年以内となっているため、あまり長く住むことはできないのです。
家賃収入を得る目的の場合
後者の「家賃収入を得る」は家賃収入を目的としているわけなので、当然家賃がかかります。そして、周辺地域の家賃相場より高くなるのが普通です。
その理由は2つあります。
理由1.高くても借りるから
普通は相場よりも家賃が高い家には借り手がなかなかつきません。
そのためだいたいその地域の相場ぐらいの家賃になります。しかし、リースバックであれば住みたい家は「この私の家」と限定され、借りる側の選択肢がないので高くても住むしかないためです。
理由2.家の購入価格をもとに家賃が決まるから
購入価格を回収することを目的に買うわけですがから、購入金額をもとにして家賃は設定されます。そのため、家賃の設定にあたって地域の家賃の相場とは関係なくなります。
リースバックの場合は購入金額の10%前後が年間の家賃となることが多いです。この程度で家賃を設定すれば10年程度で回収できるからです。
家賃を安くしたいなら安く売却すればいいのですが、当然受け取る金額は少なくなります。い
リースバックにも欠点があるので、他の選択肢も十分に考慮し選択したいものです。
自宅を売却しないで現金を得る方法
前述した方法は売却して現金を得る方法です。言い換えると家の所有者の名義が変わる方法です。
これから説明するのは名義を変えずに現金を得る方法です。
主にこの2つの方法があります。
●自宅を担保に金融機関から現金を借りる
●リバースモーゲージ
1.自宅を担保に金融機関から現金を借りる
自宅を担保に金融機関から現金を借りるという方法はあります。
自宅という担保がある場合、融資の審査から実際に融資が行われるまで1ヶ月程度で、仲介による売却に比べたら非常に早いといえます。
お金を借りるというとなんだか恥ずかしいことのように思うかもしれませんが、金融機関というものは「お金を貸して利益を得ている」のです。
お金を借りてくれる人は大切なお客様です。ましてや、不動産という取りっぱぐれのない担保がある融資希望者はいいお客様だといえます。堂々と申込みをすればいいのです。
できれば銀行が良いのですが、住宅ローンが残っている場合は、銀行では借りられないことが多いでしょう。その場合は、いわゆるノンバンクと呼ばれる金融機関に不動産担保ローンの依頼をしてみることになるかと思います。
しかし、ノンバンクの不動産担保ローンは、利息が高いことが多いです。
一般的に銀行で借りる場合は、年利3~5%程度、ノンバンクだと4%~15%程度と大きな違いがあります。大きな金額を借りる場合は、金利の違いが大きな差になります。
金利が高いと返済できなくなる可能性も高くなるので、金利には十分注意を払いたいです。
仮に2,000万円を借りて15年で返済するなら、金利4%だと利子の総額は663万円、15%だと実に3,039万円になります。毎月の返済額も148,000円と280,000万円という大きな差になります。
ノンバンクで借りる場合、ある程度の期間で返済できるあてがあるならいいのですが、そうでなければ買取を選んだほうが結局は得になるでしょう。
2.リバースモーゲージ
近年多い方法で、特に高齢者の利用が増えています。
申し込んでから現金が手に入るまで1ヶ月程度しかかかりません。
自宅を担保に金融機関から現金を借りるのと同じことなのですが、返済を行わないという点が異なります。
ちなみにモーゲージとは何かを担保にしてローンを借りることを指します。自宅を担保に金融機関から現金を借りるモーゲージであれば、毎月返済を行うため徐々に借入残高が減っていきます。
これに対してリバースモーゲージは、利子の分だけ逆に借入残高が増えていくので、リバース(逆)モーゲージと呼ばれるのです。
ただし、一般的には返済は行わなくても、利子だけは毎月払うのでどんどん借入残高が増えていくということはありません。
リバースモーゲージでは契約満期時または契約者が亡くなるかのいずれか早いタイミングで、借入残高を一括返済しなければなりません。
その時に借入残高を一括返済できなければ、金融機関が担保にしている家を売って返済に充てることになります。
リバースモーゲージにも当然デメリットやリスクもあります。
●自宅の評価額の限界まで借りられない
おおよそ50%~80%程度と考えておけばいいでしょう。買取よりも受け取れる金額は少なくなる可能性が高いです。
●家の資産価値が下落すると借金が残ることがある
契約終了時に家の資産価値が下落していると、家を売却しても当初に借りた金額に満たないことがあります。そうすると、その満たなかった分の金額は相続人が支払う必要が生じます。
●金利の変動の影響を受ける
元金の返済は行わなくても、利子だけは払う必要があります。利子は金利によって変動するので、金利が大きく上がったら毎月の支払いが大きく変わってしまいます。
6つの方法一覧表
リースバック、不動産担保ローン、リバースモーゲージの違いが特にわかりにくいかと思いますので、表にしてまとめてみました。
不動産仲介 | 不動産買取 | 買取保証 付き仲介 |
リースバック | 不動産 担保ローン |
リバース モーゲージ |
|
---|---|---|---|---|---|---|
所有者 | 買主に 移動 |
買主に 移動 |
買主に 移動 |
買主に 移動 |
移動 しない |
移動 しない |
入手額目安※ | 100% | 80%~ 60% |
100%~ 60% |
80%~ 60% |
80%~ 60% |
80%~ 50% |
現金入手期間 | 3ヶ月~ | 1ヶ月 前後 |
3ヶ月 程度 |
1ヶ月 前後 |
1ヶ月 前後 |
1ヶ月 前後 |
家にそのまま 住めるか |
住めない | 住めない | 住めない | 住めるが 一定期間しか 住めない 契約もある |
住めるが 返済できなく なったら 住めなくなる |
住める |
家賃の支払 | なし | なし | なし | あり | なし | なし |
元金の支払 | なし | なし | なし | なし | あり | なし |
利子の支払 | なし | なし | なし | なし | あり | あり |
※不動産仲介で適正な金額で売却できた場合を100%とし、それに対してのおおよそのパーセンテージで表しています。不動産仲介なら3,000万円で売れたであろう家であれば、不動産買取であれば2,400万円~1,800万円ぐらいになるという見通しになるということを示します。
リースバック、不動産担保ローン、リバースモーゲージはいずれも自分の家にそのまま住める点は共通です。
しかし、所有者が誰になるか、支払い金額や支払う内容が異なることがわかるでしょう。
まとめ
家を現金化する方法についてまとめました。単に売るだけでなく様々な方法があることがわかります。
当社、株式会社ハナイアーバンプランニングは家を売るだけでなく、不動産を最大限に活用するノウハウを持ったプロフェッショナルです。
仲介や買取、リースバック、住宅ローンの残高が家の評価額を上回って売却すると赤字になってしまうケースで行う任意売却、不動産から継続的に収入を得る土地活用など、お客様の状況に応じて最適な提案を行っています。
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