トップページ > コラム一覧 > 家を売っても住み続けられる「リースバック」メリットとそして落とし穴とは?

不動産売却のコツ

不動産コラム/ COLUUMS

家を売っても住み続けられる「リースバック」メリットとそして落とし穴とは?

公開日: 2022年10月17日  更新日: 2022年11月21日

   

リースバック(セール&リースバック)とは?

普通は家を売ると、引っ越さざるを得なくなります。
しかし「リースバック」は家を買い取ってもらったあとでも、住み続けられる仕組みです。

売却後、自分の家をった先の不動産会社等のリースバック運営と賃貸借契約を締結し、運営その会社に毎月家賃を支払います。言い換えれば持ち家から借家になるということです。

定年後に給与収入がなくなって、家を売って現金を得たいと思った場合、家を売ると引っ越しが精神的にも肉体的にも大変です。

しかし、リースバックを活用すると引っ越しの手間もなくまた住み慣れた家に住み続けられます。

賃貸借契約の期間が過ぎたら、再度、賃貸借契約を結ぶことができます。つまりずっと住み続けることも可能です。
もちろん、賃貸借の契約期間満了を機に、シニア向け住宅などに引っ越すことも可能です。さらに、気持ちが変わって「やっぱり家を買い戻したい」と思ったら、再び買い取ることもできます。

様々なリースバック

「リースバック」は家だけでなく、ビルや工場、土地といった不動産をはじめ、自動車、建設機械、航空機など動産に対しても行われています。

たとえば、自動車のリースバックについてみてみましょう。
所有する車をリースバックの運営会社に売却したあとで、その車をリース契約によって使用する手法です。複数台を所有する会社などではよく行われています。
会社が所有する車両 をリースにすることで、購入した資金がもどってくるので、会社の資金繰りが楽になります。
また、整備費用や、予算管理の手間などが大幅に削減できます。

オフィスビル業界では、リースバックは珍しくありません。
記憶に新しいのは2021年、東京・汐留にある電通本社ビルが売却されたことではないでしょうか。

広告代理店の電通グループが所有し、入居していたビルでしたが、不動産大手のヒューリックなどが中心となって出資している企業が取得したとみられています。
電通はビル売却後も、相手先と賃貸借契約を結び、そのまま入居しています。
電通グループではテレワークが進んでおり、実際の出社率は非常に低くなっています。
空いているフロアには周囲に分散していた複数のグループ会社を集約する意図もあるとみられます。

リースバックのメリットとは

冒頭でもリースバックのメリットについて簡単に説明しましたが、改めて詳しくメリットに説明します。

売却したあとでも住み慣れた家に住み続けられる

「リースバック」の一番のメリットは、 住み慣れた家で暮らし続けられることです。
住み慣れた家は使い勝手だけでなく、自分が通院している病院や歯科医院、商店などに今まで通り行けるのが大きなメリットです。
また、家を売ったことをご近所にも知られることがなく、そのままの人間関係が続けられるのもよい点です。

買い戻すことができる

普通は家を手放したら、資産がなくなってしまいます。
しかし「リースバック」にしておけば、売却した家を買い戻すことができます。
子供や孫に資産として残したい、甥夫婦が急に住みたいと言ってきた、など気持ちや状況が変わっても、柔軟に対応できる点がメリットです。

その一方で、注意したい点があります。

契約内容によっては買い戻したくなっても、買い戻しできないことがあります。
このため、もし買い戻したくなる可能性があるなら「買い戻すことができる」(買戻し特約)を契約書に明記してもらいましょう。
ただ、この場合、家賃を滞納しないことと、退去しないことが条件に挙がるはずです。
さらに、第三者に売却されてしまわないように契約書に明記してもらいましょう。

引っ越し費用がかからない

引っ越し費用がかからない点もメリットでしょう。
同じでも荷物の量によっては10万円を超えることも珍しくありません。さらに、荷物の梱包や荷ほどきをしなくて済むので楽でしょう。

固定資産税や火災保険料など家のランニングコストを減らせる

「リースバック」すると借家になるので固定資産税や都市計画税、建物への火災保険、マンションであれば管理費や修繕積立金などの費用負担がなくなります。
これらは所有者が払うものだからです。
都市部では固定資産税や都市計画税は年間で結構な金額になります。これらの負担が減るのは助かるのではないでしょうか。

不動産仲介による売却よりも現金化が早い

不動産を売却する場合通常は以下のような手順を踏みます。

・仲介する不動産会社を選び媒介契約を締結
・売却活動を行いながら内覧に対応
・ 購入希望者が現れたら、不動産仲介会社を間にはさんで売却金額を交渉し合意を得る
・引き渡し日までに荷物を片付けて引っ越しする

どんなに短期間で購入希望者が見つかったとしても、現金を手にするまで最低3カ月程度はかかることがおわかりいただけるでしょう

さらに、売れなければ現金化のめどは立たないのですから、1年以上かかることがあるかもしれません。

一方で、「リースバック」の場合は、最初から運営会社が買い取るということが決まっています。現金を手に入れるまでの時間は非常に短くなるのです。

災害などで家が破壊されても金銭的でのダメージがない

日本は地震大国で、地震や火山の噴火の危険が高い場所です。
また近年、異常気象ともいえる豪雨や土砂崩れなどの自然災害が増えています。
所有している家であれば、災害で建物が被害を受けた場合、自分の資金で再建しなければなりません。
しかし、借家であれば、大家さんである不動産会社等の運営会社側に修繕の義務があります。借りている側の費用負担はありません。

リースバックのデメリット

「リースバック」のメリットをみてきましたが、デメリットもあります。
リースバックの意味をよく理解して、デメリットを最小限にするようにしましょう。

自分の家ではなくなる(子供に家を相続させられなくなる)

家を子供に相続させようと考えている場合は、「リースバック」はデメリットになります。相続前に家を手放してしまうことになるからです。
子供が自分の育った家に住むつもりはあるのか?相続したいか?早めに考えを聞いておきましょう。

家賃が発生する

家を売却したあとにその家を借りるのですから、毎月の賃料が発生します。
賃料は売却価格を元にして、周辺相場の家賃も勘案しながら決められます。
賃料を総額でいくら払うことになるのかを計算しましょう。
売却で得られる資金とべて、長期的な損得を計算することが重要です。

一般的な不動産仲介による売却よりも安くなりがち

「リースバック」のメリットは早期に現金化できることとお伝えしました。
しかしその反面、一般の仲介と比べると売却価格は安くなるのが普通です。
このため、思っていたよりも得られる売却益が少なく、「こんなはずではなかった」と思うことがあるかもしれません。
通常の売却をするときの周辺相場を知っておき、どのくらい差があるのかを知った上で判断することが望ましいです。

退去期限が来たら退去しなくてはならない

「リースバック」は、家を売却後に賃貸借契約を締結します。
さて、ここで賃貸借契約には2つあることをお伝えしておきます。

1.定期借家契約
期限が来ると再契約には、不動産会社等の運営会社の合意が必要です。
2.普通借家契約
期限が来ても借りる側が希望すれば、契約は更新されます。
簡単にいえば借りる側が弱い契約が「定期借家契約」で、借りる側が強い契約が「普通借家契約」となります。

つまり「定期借家契約」では期限が来ると運営会社側が、「再契約」に合意しなければ、借り主は住み続けられなくなってしまうのです。
ただ、数年後に「子どもと同居する」「シニア向け住宅に引っ越す」などの今後の方針が決まっている人には適しています。

契約内容をよく確認し「いつまで住めるのか」「再契約は借り主側からの申し出だけで決めることができるのか」を確認しておきましょう。

賃貸期間が長くなると売却しないほうが得になることがある

売却後には、家賃を毎月払っていくのですから、賃貸する期間が長くなるほど、支払う家賃の総額も大きくなります。
長期間住む場合は、売却で得た金額よりも家賃の総額が高くなってしまうかもしれません。こうならないためにはどのくらいの期間住むかを考えておきましょう。

リースバックはこんな方にお勧め

メリット、デメリットがそれぞれにある「リースバック」ですが、では、どのような人に向くのでしょうか。

●借金ではないまとまった資金をすぐに必要な人
教育費や事業資金、老後の資金など多額の現金を今すぐ必要としている人に向いています。
「リースバック」の特徴は、すでにお伝えしたように、一般の不動産仲介会社を通じて売却するよりも現金化するまでの期間が早いのが特徴です。

●住宅ローンの返済が厳しくなってきた人
人生のなかで長期に渡る住宅ローン。
ときには病気や失業などで収入が減少することがあるかもしれません。その結果返済し続けるのが困難な場合の選択肢になりえます。
売却代金でローンの残債を一括返済することができ、残った現金は自由に使うことができます。
ローンの残債を売却価格が下回る場合は、残念ながらリースバックはできません。

●相続対策が必要な人
子供たちが独立しているなら、親の家は誰も必要としないかもしれません。
不要になった家が相続財産になると「換金して分ける」「共有持ち分にする」といったことを決めないとなりません。
換金して分けるのがさっぱりしますが時間がかかります。
そのため、不動産ではなく現金にしておいたほうが、子供たちの不要なトラブルを避けられるので望ましいでしょう。

●生活環境を変えたくない人
資金は必要だが生活環境を変えたくない、また周囲の人に家を売ったことを知られたくない人にも向いています。
違う環境で暮らすというのは、気に入った店や病院、人間関係などを一から探して作り上げることを意味します。
「リースバック」であれば、これまでと何も変わらない暮らしが続けることができます。

リースバックの落とし穴とは

事前に陥りやすい落とし穴を知っておかなければ避けることができません。
ではどんな落とし穴があるのでしょうか。

●家賃が払えなくなってしまった!
最初は大丈夫だと思っていても想定外のことが起きて家賃が払えなくなるかもしれません。こうなると借家なので当然住み続けられなくなります。

●売却価格が予想外に低かった!
当初、計画していたよりも不動産会社等の運営会社から提示された買い取り価格が低かったという誤算もあります。
「リースバック」は一般で売却するよりも相場が安くなりがちです。
もちろん、売却前に建物の査定をしてもらった上で金額が提示されますので、納得がいかない場合はその価格を提示した理由を納得いくまで聞いてみましょう。
どうしても納得がいかない場合は、他の運営会社にもリースバックの依頼を行ってみることをお勧めします。

●買戻しができなくなった!
いずれ家を買い戻す予定で、一時的に「リースバック」を利用したはずだったのに、「買い戻そうとすると高額で買い戻せなくなった」というトラブルがあります。
一般的には売却価格よりも高くなるので、こういったことがおうおうにして起こるのです。

●契約期間中なのに「退去して」といわれた!
定期借家契約でも、契約期間は、住み続けられるのが「リースバック」です。
しかし突然、運営会社側の都合で「退去して」といわれることがあります。契約書に明記されていない場合契約期間内は退去の必要はありません。
また、契約書に明記されていたとしても、
ですが、次の住宅を紹介してもらい、引っ越しや礼金敷金やその他を含めた立ち退き料を受け取るようにしましょう。

●物件がいつの間にか第三者に売却されていた
賃貸借契約を締結し、毎月家賃を払っているのに、ある日、突然、家賃の支払先が変わっていて、物件が売却されていたということがあります。
賃貸条件は変わらないものの、第三者に売られてしまうと、次に買い戻すことが難しくなります。

●家族との話し合いをしなかった!
「リースバック」で売却したあと、子供が「自分が将来、住む予定だったのに」などと言ってくることがあります。
親としては、子供の相続を考えた判断だったのですが、家族内で意思疎通がうまく取れていないとこういったことが起きます。

落とし穴を避けるには

こういった落とし穴を避けるためには、事前の対策が重要になります。
次のような対応をしたいものです。

●理由をはっきりさせ家族の合意を得る
不動産を現金化する方法はースバック以外にもあります。
そのなかでなぜ「リースバック」なのかを考え、「こういう点が必要だ」という理由を明確にしましょう。
そして、決めるにあたっては家族、とくに子供たちと十分な話し合いが必要です。
自分たちの想い理解してもらうためにも、何度も話し合って、納得してもらうようにしましょう。

●資金計画を充分に考慮する
条件が提示されたらよく考えましょう。
仮に家賃を10年間払うとしたら、総額でどのくらいになるのか?
そのときに手元に残っている金額はどの程度なのか?
これらをシミュレーションし、資金が足りなくならないことを確認する必要があります。

●査定価格を検討する
査定で買い取り価格を提示されたときも根拠を聞きましょう。
複数社に依頼して比較検討するのも大切です。
ここで重要なのは、高い買い取り価格だけに意識を向けないことです。
その分、賃料も高く設定されているかもしれません。あくまでも収入と支出のバランスを考えることです。

●買戻し条件を比較検討する
「リースバックは数年だけで、いずれ買い戻す予定」
こう考えている人は、買い戻しの価格や条件を十分にチェックしておきましょう。契約前に買い戻し価格が提示されています。こちらも複数社を比較検討することが重要です。

●契約書をしっかり確認
改めて言うまでもないですが、契約では書面に書かれていることがすべてです。
理解できないまま、印鑑を押してしまっては何か起きたときに自分がトラブルに巻き込まれてしまうだけです。
「知らなかった」「理解していなかった」では済みません。
少しでも疑問がある場合は、不動産会社等の運営会社に質問しましょう。
また契約書の重要なことは「書いてあること」ではなく「書いていないこと」にもあります。売り主の権利を守ってくれる条項がない場合は、その条項を書き足してもらう必要があります。
不動産を専門とする司法書士、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

まとめ

近年、取り扱う会社が増えてきた「リースバック」。
メリットもあれば、デメリット、そして落とし穴もあります。
メリットを最大限に活かすためには、事前の準備が必要です。
このコラムを活用してぜひ失敗しない「リースバック」を実現していただければ幸いです。

株式会社ハナイアーバンプランニングは埼玉県川口市を地盤として、長年営業している不動産会社です。
もし、川口市近郊でリースバックを検討されているのであれば、是非当社にご相談下さい。長年の経験に基づくベストのアドバイスをさせていただきます。


不動産についてのお困りごとはお気軽にご相談ください!

売却のご相談はコチラ

お電話でのお問い合わせはこちら

フリーダイヤル
0120-055-871


解決事例

お客様の声

よくいただくご質問

無料売却査定・売却相談実施中 売却 査定 任意売却 相続 土地活用
お客様の声 会社概要 店舗案内 任意売却サポートセンター スタッフ募集 土地活用セミナー