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ベストの土地活用方法が簡単にわかる! 完全比較リスト13+3選!

公開日: 2021年10月16日  更新日: 2022年2月18日

   

土地活用とは

土地をただ所有しているだけでは、「財産」とは言えません。むしろ、毎年、固定資産税などを払っている分、支出を生むものなのです。けれども、特性を生かした活用をすれば、土地は利益を生む「真の財産」に生まれ変わります。では、活用方法には、どんなものがあるのでしょうか。

売却と土地活用とどちらがいいか?

土地活用には、大きく分けて、売却するか、あるいはその土地を収益性あるものに転用するかの2つの方法があります。

売却のメリット・デメリット

土地を売却するメリットについてみてみましょう。大きく分けて3つあります。

まず、維持管理費用の負担がなくなることです。土地は所有しているだけで、毎年、固定資産税がかかります。年間の支払いはそれほど負担がなかったとしても、5年、10年と時間が過ぎてしまうと、積み重なった分はかなりの金額になるのではないでしょうか。

次に相続トラブルの回避の可能性です。兄弟姉妹など相続人が複数いるにも関わらず、親から相続した財産が土地しかない場合、土地の分割は難しいものです。けれども、売却で得た現金であれば、分けるのは簡単です。

最後に、維持管理の精神的、肉体的な負担がなくなる点も大きなメリットです。たとえば、土地に家が建っていれば、適切なメンテナンスが必要です。台風や大雨の翌日には確認に行かなければならないでしょう。樹木が延びていたら手入れをしなければ、近隣に迷惑がかかります。何もしないままでいると廃墟同然になることもあり、自治体から「特定空き家」(※)に指定される可能性もあります。土地が遠方にあれば、メンテナンスをする際の交通費もかかります。売却すれば、これらの負担はなくなります。

※特定空き家=、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(2015年施行)により、「倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」「適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態」「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」にある空き家を指します

一方で、売却にも、デメリットがあります。こちらも主に3つです。

まず、売却により、必要となる費用があることです。たとえば、一般的には不動産会社に依頼する場合がほとんど。ここで、不動産会社に仲介手数料を払う必要があります。仮に、3000万円で売れた場合なら、手数料は96万円です。また、買ったときよりも売った時のほうが高額になり利益が出たら、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税の税率は、以下のようになります。

所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

次に、売却すると、土地を活用することで得られる長期的な利益を手放す点もデメリットといえるでしょう。たとえば、アパートや駐車場経営をしたり、あるいは人に貸して借地収入などを得られたりする機会を失うことです。

最後に、心理的な負担です。先祖代々受け継いできた土地を、自分の代で手放すことは大きな決断を伴うのではないでしょうか。地域によっては、血縁が強く、家族だけ売却を判断できないことも。売却に際して、相続権がない親戚にも納得してもらうも話し合いをしなければならないこともあります。

土地活用のメリット・デメリット

次は、土地を活用するメリット3つについてみてみましょう。

まず、土地をその特性を生かした活用により、定期的な収入を得られる可能性が高くなります。一時、老後に2000万円不足する「2000万円問題」などが取りざたされましたが、生活が年金だけでは苦しいときでも、土地活用により補えそうです。運用方法次第では、次の世代に資産を残すことができるのもメリットです。

次に、土地をどのように運用していくか、特性を最大限に引き出せる運用方法を選択することで、長期的に税法上の優遇措置が受けられる可能性があります。たとえば、土地にアパートを建てて賃貸経営をすれば、よく相続税対策になるといわれます。これは、土地にアパートが建っていると、自分が所有する土地に自分で賃貸用の建物を建て、第三者に貸しているということで、「貸家建付地」という種類となります。そして、「貸家建付地」であれば、税金計算の元となる評価額が減少するのです。上物であるアパートの相続税評価額も、「借家権割合」に従って減額されます。

最後に、自分が先祖代々から引き継いだ土地を子ども世代に渡せるのも大きなメリットではないでしょうか。活用次第で大きな利益を生む土地であれば、自分だけでなく、子どもにとっても大きなプレゼントになるでしょう。

一方で、もちろんデメリットもあります。こちらも主に3つです。

まず、土地活用が成功するかは誰にもわかりません。これは投資の一種ですから「絶対」はありえないのです。利益が出るときもあれば、ときにはマイナスになる可能性があります。運用するなら、土地のもつ特性を最大限に活かす方法を選ぶのはもちろんですが、それでもリスクはゼロにはなりません。これを理解した上で手がけるようにしたいものです。

次に、活用には、手間がかかったりある程度の知識が必要となったりすることです。自分で行うならかなりの事前知識が欠かせません。すべてをプロに委託する場合でも、どのように依頼先を選定するか、依頼時の契約内容の十分な確認、依頼後の定期的な状況確認も必要です。時間的に余裕がなければ、負担に感じるかもしれません。

最後に、多くの場合、初期投資費用が必要となる点もデメリットでしょう。あまり投資費用がかからない活用方法もありますが、その場合、得られる利益はわずかなことも少なくありません。金融機関から借入を行う場合は、十分な返済計画をたてたいものです。

上記のように、売却、土地活用それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらがふさわしいかは土地の状況やその人の環境によって一概には言えません。多角的に情報収集して、じっくり時間をかけて結論を導くようにしましょう。

土地活用の手法12選

表の見方について

土地の特性を場所別と、収益別にまとめました。
<表2>では、所有する土地の種類別に、そして、大きさ別にふさわしい活用方法をまとめました。<表3>では、活用方法を収益別にわかるようにしました。自分の土地がどこにあり、どのくらいの大きさか、などから、選択肢を絞り込み、将来性も考えてふさわしい方向を見つけましょう。

<表2>

<表3>

リスクと収益の関係

<表4>

自分の土地には、どのような活用方法がベストなのか。これを考える際には、どのくらいの初期投資費用が準備できるか、また借り入れるならどの程度まで返済できるのか、などを含めて考え、決断したいものです。

たとえば、オフィスビル建設のような初期投資が大きくなるものほど、稼働率が100%になったときの収入は莫大になります。一方で、そこに至るまでの投資費用を回収するまでには、長期の時間を要します。逆に、初期投資費があまりかからない駐車場運営などでは、他と比べたリターンは、決して多くはないでしょう。収益性が高い方法は、リスクも高いことが一般的です。リスクとベネフィットを天秤にかけて、自分がどの程度かかわるのか、あるいは、プロに任せるのか、なども考えて、慎重に検討するようにしましょう。

では、具体的な方策をみていくことにします。

1. アパート・マンション経営

土地にアパートやマンションを建築し、長期にわたって賃貸する方法です。土地活用の方法としてよく検討される手法です。周辺の空き地がいつの間にかアパートになっていた、という例を目にされたこともあるのではないでしょうか。

<メリット>
土地にふさわしい物件を建築することができ、満室かあるいはそれに近い経営を長年、続けられれば、順当に利益が得られます。建築費の回収が終われば、その後の利益はまさに「不労所得」です。年金の不足分などを補える金額となるでしょう。

<デメリット>
建築の際に、詳細な土地や周辺調査が必須です。ワンルームか、ファミリータイプか、間取りや広さはどうか、などを十分検討します。ふさわしい住宅を建築しなければ、長期にわたり高い稼働率を維持するのは難しくなるからです。
さらに、当初、建物を建築するには、ある程度の借り入れをしなければなりません。この際、返済が終わるまで高い稼働率を維持できるような賃料設定、返済計画が必要になります。時間の流れとともに、維持管理費も必要となるため、修繕費も当初の計画に織り込んでおきましょう。周辺に似たようなライバル物件ができたときのことなども考えておきたいものです。

2. 戸建て賃貸

土地に分譲戸建て住宅を建築して、経営する方法です。「生活するなら戸建て」というニーズは少なくありません。アパートやマンション暮らしが定着していない地方を中心としたエリアでは選択肢に挙がります。

<メリット>
アパート経営などと同様に、長期に高い稼働率を維持できれば、長期に高い収益性を維持できます。

<デメリット>
築年たってくると、稼働率を維持するのに苦労することがあります。運用する戸建てがひとつしかなければ、空室期間中は全く利益を得られない面がデメリットです。また、リフォームに関する費用がかかることがあり、当初の資金計画の重要性を意識したいものです。

3.土地の賃貸

土地を必要とする人に、貸し付ける方法です。最近では、家庭菜園を目的に土地を借りる人が増えています。また、土地を借りた人や企業が、駐車場として使用したり、自分の資材や荷物置場などとして使用したりするニーズもあります。大規模な土地であれば、スーパーや大型店舗などが建つ可能性もあります。

<メリット>
借りたい人がいれば、運用方法を任せられるので負担感が減るでしょう。利益はそれほど上げられなくても、必要な人に使ってもらえるのは維持管理面からみてもラクといえるでしょう。

<デメリット>
土地をどんな人に貸すのか、その人がどのような運用をするかによって、貸す側も考えなければならないことがあります。たとえば、借地契約の種類は「普通賃貸借」と「定期賃貸借」の二つがあり、普通借地契約の最低契約期間は30年間です。つまり、貸すと最低30年間は土地が戻りません。また、期限が到来しても原則、更新することになります。
ここで、将来的に土地を自分で利用したいと考えるなら、契約の更新がない「定期賃貸借」(後述)契約を締結すべきでしょう。一方で、期間終了後の更新がない「定期賃貸借」では、利用したいと思う人がかなり限定されるかもしれません。

4.賃貸併用住宅

所有する土地に自宅と、一部賃貸する住宅を建てる方法です。賃貸部分を複数、建築できるスペースがあり、賃借ニーズが高いエリアにある土地に適しています。

<メリット>
アパート・マンション経営と比べて、自分が居住する建物に賃貸スペースを設けるため、建物の状態や、入居者を把握しやすい点がメリットです。また、将来的に賃貸部分を自分や子どもの住まいにするという選択肢もあります。加えて、建物の延べ床面積のうち、自宅部分が51%を超える住宅を建築するのであれば、アパートローンと比べてより金利が低い住宅ローンを利用でき、利息の低減につながります。もちろん、相続税や固定資産税などを軽減できるメリットもあります。

<デメリット>
アパート経営と同様に十分な資金計画が必要となるほか、賃借人との距離が近いため、生活音や暮らしぶりなどが気になるかもしれません。付き合い方を巡って、精神的な負担になる可能性もあります。また、将来的に家つきで売却しようとすると、買い主がなかなか見つからないかもしれません。

5.駐車場

月極めのほか、コインパーキング方式で一時的に車を止める場所として提供する方法があります。月極めは、自分で経営可能ですが、コインパーキング方式では、駐車場経営会社に一括借上げしてもらい毎月、収入の一部を受け取る方法と、機械を自分で購入しメンテナンスも自分で行う方法があります。

<メリット>
初期投資をあまり必要としない点が大きなメリットです。整地だけで済むことも少なくありません。アパート経営などの住宅を建てることと比べると、メンテナンスの費用や手間も大幅に少なくすみ、リスクも少ないといえるでしょう。月極めであれば、短期間だけ運用してその後、別の方法で土地活用できるのもメリットです。数年後に家を建てるなどで使用方法が決まっている場合に向きます。

<デメリット>
土地活用のなかでは、比較的得られる利益が低額にとどまりやすいデメリットがあります。また、誰にとっても算入しやすいため、より利便性の高い場所に駐車場ができてしまうと、顧客がそちらに取られてしまう可能性もあります。また、コインパーキング式で機械を購入するのであれば、初期投資費が必要になります。

6. トランクルーム

敷地内にコンテナなどのトランクルームを設置して、借りた人から毎月、利用料を受け取るものです。自分でコンテナなどを購入して運営する方法と、専門で手がける業者に土地を一括して借り上げてもらい、運営を任せる方法があります。

<メリット>
こちらも駐車場経営と同様に、算入がしやすく、初期投資費があまりかからない点がメリットでしょう。メンテナンスも周囲の状況確認や草むしり程度ですみます。都市部で、住宅密集地など、荷物を十分、収納できない人が多い可能性があるエリアに向いています。

<デメリット>
地方など敷地に余裕があるエリアでは、ニーズがかなり限られそうです。さらに、算入しやすい分、都市部であっても周辺により低額なトランクルームができた場合は、収益性に劣る可能性があります。

7.コインランドリー

土地に元々使用していない建物があるなら、そこに洗濯機を設置して、コインランドリーを設置する方法です。通常、家庭には洗濯機がありますが、それでも大型のものを洗えるタイプを所有する人は限られるかもしれません。また、長期の居住予定がない単身赴任の人のなかには、洗濯機を持たない例もいます。
方法としては、コインランドリー業者に土地を貸す方法や、全国展開するフランチャイズ企業と契約をして自分で経営する方法、あるいは自分で洗濯機を購入して運用する3つがあります。

<メリット>
洗濯機を設置すれば、あとは現地確認や機械の状況確認などは必要ですが、大きな手間のかかるメンテナンスが不要でしょう。初期投資もアパート経営などに比べると少なく済みます。また、固定客がつきやすいため、収入の予測が立てやすいと予想されます。

<デメリット>
自分で手がけるなら、当初、洗濯機や乾燥機の購入費用がかかります。また、維持管理に関して、水道光熱費が意外にかかるので、売り上げに対してどの程度の利益が得られるか、十分なシミュレーションが必要です。フランチャイズ契約をするなら、その分の料金が発生します。

8.太陽光発電

大規模な敷地に太陽光パネルを配置し、太陽光発電を行うものです。太陽光パネルが生んだ電気を電力会社に売却して収益を得る方法です。

<メリット>
一般的に土地活用が難しいとされる地方の大規模な土地や山林などでも、活用できる可能性があります。自分で行うこともできますが、一般的には太陽光発電を事業として行う企業に土地を貸し出すことが多くなっています。その場合はメンテナンスなどの負担もなくなります。

<デメリット>
比較的、初期投資費用がかかるうえ、日当たりのよい土地でないと思うように発電できず、得られる利益が少なくなりそうです。また、メンテナンスを任せたとしても、費用はかかりますし、ときには台風、鳥による巣作りなど、何らかの被害を受けてしまうなどで、突発的な支出があるかもしれません。また、生み出した電気を買ってもらえる条件は年々、厳しくなっています。また、農地で行う場合には、農地転用の許可など、さまざまな手続きが必要になります。

9.保育園

近年、働く女性が増えており、とくに都市部では、保育園の需要が高まっています。土地に保育園を建てることで、社会的な貢献にもつながります。自分で保育園を経営する可能性がなくても、保育園を運営する自治体に土地を貸し出す方法があります。

<メリット>
自治体が、保育園建設のための土地を探している場合があります。土地を貸すなら長期に安定的な収入を得られるでしょう。自治体のなかには、土地を貸す人に対し、減税制度を取り入れているところもあります。たとえば、東京都23区内では、認可保育所や認定こども園などのために有償で貸し付けられているなど、一定の条件を満たす土地に対し、固定資産税・都市計画税を最長5年度分、全額減免しています。

<デメリット>
保育園は建てられる場所が決まっており、都市部であればどこでも建てられるわけではありません。また、建設に際して、近隣の反対にあう可能性もあり、実際に保育園が運営されるまでには、時間がかかることもあります。

10.高齢者施設

高齢者施設といっても、有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどさまざまな種類があります。これからますます高齢者が増えていくため、こういった高齢者を対象にした建物には強いニーズが期待されます。自分で直接、ホームを運営するのではなく、土地を貸してそこに事業者が建物を建てて運営する、あるいは自分で建物を建てて、事業法人に一括して借り上げてもらう、あるいは、建物がある状態で借り上げてもらう、という方法があります。また、金銭面の助成もあり、たとえば、サービス付き高齢者向け住宅では、建築費の補助や税制優遇制度があります。

<メリット>
「駅から遠い」「市街化調整区域(※)である」という通常なら、活用しづらい土地でも運用が可能です。また、長期に利益が期待できるのもメリットです。たとえば、自分で建てた建物を一括借上げ(後述)してもらうなら、長いスパンでの利益が期待できます。メンテナンスなども不要なので、運営の手間はかかりません。また、高齢者に特化した住宅やホームにすることは、社会的な貢献の側面もあります。

<デメリット>
事業会社は、入居者が利用時に支払う介護報酬で経営を安定させる例が多くなっています。この場合、介護報酬は国が決めており、3年ごとに改定されています。ここで、報酬が下落してしまった場合、事業者の利益が減少し、最終的にこちら側の受け取る利益も減ってしまうかもしれません。最悪の場合、事業者が倒産する可能性があります。事業を引き継ぐ新たな会社が見つかればいいのですが、そう簡単に見つからないこともあります。

※市街化調整区域=都市計画法という法律で定められたもので、市街化を促進する「市街化区域」と市街化を抑制する地域である「市街化調整区域」の二つがあります。「市街化調整区域」では原則として建物は建てられません

11.商業施設運営

大規模なショッピングセンターやコンビニエンスストア、アウトレットなど、規模はさまざまですが、土地に商業施設を建てて運営する方法があります。

<メリット>
商業施設は、住宅と比べると賃料設定が高めとなるため、利益も多くなることが期待されます。大規模な店舗になるほど、収益性が高いうえ、地域のランドマーク的な存在にもなりそうです。優良テナントに入居してもらい、収益に応じて賃料が支払われるようにすれば、さらに高収益を狙えます。

<デメリット>
初期投資費用が莫大になるため、借り入れなどを含めた事業全般に十分な検討が必要となります。また、テナントが退去し後継の入居テナントが決まらなければ、すぐに賃料収入に跳ね返ります。こうみてくれると、不動産のプロが行う事業といえそうです。また、商業施設を運営できるエリアは、土地計画法という法律で決まっており、どんな土地でもできるわけではない点にも注意したいものです。

12.ホテル・ビル運営

土地にホテルやビルを建てて運営するものです。都心部の好立地に向く手法で、大きな利益が期待できます。

<メリット>
事業は数十年単位で行うものになるため、長期的に高い収入が得られるのは大きなメリットです。また、コロナ禍が収束した際には、一気に旅行者の増加が見込まれたり、企業ではテレワークをやめる動きが主流になったりすることが期待され、これまで以上にニーズが高まりそうです。

<デメリット>
商業施設の運営と同様に、初期投資費が大きくなったり、どんな土地にでも建物を建てられたりするわけではない点に注意したいものです。また、ノウハウがないと長期的に競争力を保つのは難しそうです。
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ここまでは、土地に「どのような種類の建物を建てたり、どのような用途で運用したりするのがふさわしいか」を決めるのにそれぞれの特徴をお伝えしてきました。ここからは、土地活用を成功させるために、知っておきたい法的な契約についてご紹介します。
建物を建てて運用する方法を決めても、法的にどんな契約にするかによって、収益性や将来性に影響を与える可能性があります。ぜひ知っておきましょう。

12.定期賃貸借

上記の3で、少しふれましたが、土地を貸すには「普通賃貸借」と「定期賃貸借」の二つがあります。
今から締結する「普通賃貸借」による借地契約の期間は原則30年以上です。30年が到来したあとの更新後の期間は、最初の更新後20年、2回目以降は10年が原則です。お互いが合意してこれよりも長い期間を定めた場合には、その期間です。
一方、「定期賃貸借」は、最初から契約期間を決めておき、その期間が到来すると、契約は終了し、土地を地主に返却しなければならない契約方式です。「定期賃貸借」は、契約期間が50年以上となる「一般定期借地権」、借りた人が事業用の建物を建てる「事業用定期借地権」、契約期間が満了したら地主に建物を買い取ってもらう「建物譲渡特約付借地権」の3つがあります。

<メリット>
土地を貸す側からすると、土地をいったん貸すといつ戻ってくるかわからないのは不安です。将来的に子どもが戻ってきて、その土地に家を建てて暮らす、という計画があっても、その土地を貸すと簡単には返してもらえません。このような場合には、「定期賃貸借」が適しています。一般的には、普通賃貸借よりもやや低い賃貸料を設定することが多いので、借りる側も「一定期間だけ安く使いたい」という人が向いています。家庭菜園などで土地を貸す場合などでも、こういった契約方法がよさそうです。

<デメリット>
返却期限が決まっている土地を借りたいという人を見つけ出すには、時間がかかりそうです。なかでも、「事業用定期借地権」は建物の用途が限定的となるため、「利用したい」という人は限られるかもしれません。企業を対象とすることが多くなることが予想されますが、幅広く情報を公開し、じっくり時間をかけて借主を探しましょう。

13.等価交換

「等しい価値」があるものを「交換する」という意味で、土地を手放し、その土地の価値と同等の建物を建ててもらい、土地と建物の価値を一部取得するものです。

<メリット>
自分で建物を建設するのであれば、多額の借り入れをしなければなりませんが、等価交換であれば、建物は事業を行う企業が建ててくれるので、自己負担はありません。さらに、たとえば、マンション建設をする際、その住戸の一部を取得することになり、自分で住んだり賃貸したりすることができます。

<デメリット>
土地をすべて手放すことになるので、心理的な抵抗感を持つ人がいるかもしれません。また、建物がたったあとは、土地と建物の一部を「持ち分」として所有します。たとえば、事業主がマンションを建てて、売却したとします。こうなると、購入した人すべてが、その土地と建物の所有者となります。自分だけの持ち物ではなくなるため、建物のメンテナンスなどは話しあって決めていく必要があり、ときには方向性を巡ってもめることがあるかもしれません。

14.土地信託

土地を信託銀行などに預けて、自分の代わりに運用してもらい、収益が出れば経費や報酬を引いて、その分の配当を受け取る方式です。「託す」とある分、利益をあげてもらうことを意味します。信託銀行はたとえば、賃貸ビルなどを建設し、テナントを誘致して収益向上を図ります。土地の所有権は信託する側に移りますが、契約期間終了後に戻ります。大規模で立地のよい場所に土地を所有しているなら、選択肢に挙がりそうです。

<メリット>
たとえば、自分でビルを建築するのは高額な借り入れが必要となります。信託すれば、建築による自己負担は不要です。しかも、委託先はプロなので、自分でアパートやマンション経営を行うよりもリスクは低いといえそうです。
また、信託した財産から得られる利益を受けられる人を信託受益者といいますが、この受益者が財産から得られる利益を受ける権利を「信託受益権」といいます。そして、この「信託受益権」を売却することもできます。

<デメリット>
信託受益権があっても、利益が生まれなければ配当が減ったりゼロになったりする可能性があります。また、信託できる土地の条件は限られます。多くの利益を生む可能性があるものでなければ、信託銀行などは引き受けません。

一括借上の落とし穴

ところで、土地活用のなかで、賃貸アパートやマンション、高齢者住宅などを建てて経営する際、入居者募集など一部の業務を不動産管理会社に任せる方式と、一切の業務を任せる「一括借上」という方式の二つがあります。一括借上は、サブリースともいわれ、一定期間、不動産管理会社と契約し、入居者募集や入居者審査、入居中の対応、退去後のリフォーム、修繕計画など賃貸経営にまつわる一切の業務を任せるものです。また、管理を不動産管理会社に任せる方式では、入居者と運営する側の自分が契約を締結しますが、一括借上の場合、入居者との賃貸借自体も、不動産管理会社と入居者間で締結する点でも違いがあります。

契約期間内は、空室が発生したとしても、契約内容に従って、毎月一定額が支払われます。空室分がマイナスされることはない点がメリットです。自分で賃貸経営をするには、知識や勉強が必要ですが、経営の一切を任せてしまうため、時間的余裕や精神的な余裕ができる面もあります。

デメリットは賃貸管理会社に依頼するよりも、得られる毎月の収入が少なくなる分でしょう。契約期間は10年、20年のほか、30年など、長期間にわたる場合もあります。

ただ、一括借上には、事前に知っておきたい注意点があります。たとえば、「長期契約を締結すれば、空室が発生しても賃料収入は一定を保てるのではないか」という考えが浮かびそうです。けれども、それは逆に考えると、事業を請け負う不動産管理会社にとっては、大規模な空室が発生すると、これまで同様に地主側に賃料を支払わなければならないことを意味します。事業者側には大きなリスクとなります。

ここで、不動産管理会社から「家賃は下がりません」などと説明されたり、契約書に「家賃保証」と明記されていたりしたとしても、そこだけに気を取られないようにしましょう。借地人と借家人を保護することを目的とした「借地借家法」という法律に基づき、契約期間中であっても、また契約更新時に、地主側に支払われる家賃が減額される可能性があるのです。

これは、契約書に明記されるので、必ず目を通し、理解しましょう。賃料減額にはお互いの協議が必要になりますが、一時的に地主側の要求を受け入れてもらったとしても、業者が倒産してしまう事態になっては、毎月の収入すべてがなくなってしまいます。

さらに契約期間中であっても、一括借上を手がけている会社が倒産したり、契約解除されたりする可能性もあります。一方で、地主側からの契約解除については、よほどの理由(正当事由)がない限り、できません。

過去には、一括借上を手がけていた不動産管理会社が倒産したり、契約期間中に契約解除を迫られたりする例がありました。地主側が裁判を起こした事例もあります。

国も、こういった状況を鑑みて2020年には、サブリース事業について、契約の適正化のため必要な規制を設けた「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(サブリース新法)を公布しています。そして、ガイドラインも策定しています。たとえば、「家賃保証」などの言葉を広告に使用する際には、その隣接するところに、定期的な家賃の見直しがあるならそのことを、そして、「借地借家法」によって家賃が減額されることを必ず表示しなければならないこととなっています。

契約前に、契約書の内容を隅々まで確認しましょう。そして、疑問点があれば、印鑑を押す前に相手に質問したり、ときには自治体などが行う不動産相談に出かけたりして、納得のいくまで、尋ねてみましょう。
サブリース契約のすべてが問題となるわけではありませんが、いったん、契約してしまうと、最終的にリスクは地主側が負う、ということを理解しておきたいものです。

まとめ

土地活用の全般的な流れをご紹介しました。一口に「活用する」といってもその方法は多岐にわたります。そして、その土地の特性を活かした提案ができるのは、数多くの土地活用を手がけたプロです。依頼先のプロを選定する際には、多様な実績と複数の提案をできる力をみるようにしましょう。さらに、もっとも重視したいのは、その土地のあるエリア情報に詳しいことです。周辺でこれまでどんな開発が行われたか、エリアにある賃貸不動産の稼働率はどうか、数年後にどこに何が建つのか、などの情報は地元企業にしかわからないことです。

「埼玉県川口市、埼玉県さいたま市、埼玉県越谷市、埼玉県草加市、埼玉県戸田市、埼玉県蕨市、東京都足立区、東京都北区、東京都板橋区鳩ケ谷エリア、浦和エリア、浦和美園エリア・赤羽岩淵エリア・新井宿エリア・戸塚安行エリア・川口元郷エリア」の土地活用・売却なら、埼玉県川口市に本社を置く「ハナイアーバンプランニング」にお任せください!

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記事監修 花井 政樹

株式会社ハナイアーバンプランニング 代表取締役、株式会社花井建設工業 代表取締役
生まれ育った鳩ケ谷で地域のお役に立ちたい思いで平成14年にハナイアーバンプランニングを創業以来、埼玉県鳩ケ谷エリアを中心に埼玉県川口市、さいたま市、越谷市、草加市、戸田市、蕨市、東京都足立区、北区、板橋区のを中心に不動産売却・販売・賃貸管理のお手伝いから建設業、そして任意売却や市街化調整区域・区画整理地に関わるご相談など、解決が難しいご相談にもおこたえし、ご縁の一つひとつを大切にしながら日々奮闘しています。


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